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ヘアライター 増田ゆみのblog

ヘアスタイルのコト、美容室のコト、美容師さんのコト……。

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私が美容師さんにムチャブリできなくなった理由
ライターになったころは
右も左もわからず、
今、考えるとびっくりするようなお願いを
よく美容師さんにしていました。

そのころの私は
「読者が喜んでくれる企画なので!」
「きっと反響があるはずなので!」
「どの雑誌もやってないことなので、絶対面白いはず!」という
根拠のない自信に満ち溢れていて
それを盾に、ずいぶん、大変な企画を美容師さんに
あっさりお願いしていました。


いまは、美容師さんたちの仕事の大変さも
当時よりはよくわかるようになり
できるだけ負担の少ないようにとか
できるだけ効率よく撮影するには、ということを
考えるようになり
それはもちろん悪いことじゃないのですが
なんだか昔なら、躊躇なくお願いできたお仕事を
今はお願いできなくなっている自分に気づきます。
当時の自分のようなムチャブリをする後輩や編集さんを見て
ひやひやしたり、想いにまっすぐで素敵だなあと思ったり。

そんなことを日々感じていたので
今日、このブログを読んで
なんだかとっても、しん、とした気持ちになりました。

D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんのブログです。

ちょっと長いですが
全文引用させていただきます。


「最初の思いを思い出して」

勢いがあった時代がありました。無茶をしたこともありました。それが今は不思議とできません。大人になってしまったのです。
原稿がここから先、かけません。書いても書いても、「あぁ、こんなこと書いたら、あの人に迷惑がかかる」とか思って、消すのです。書きたいことはたくさんあるのに・・・・。
やりたいことも、お願いしたいことも、たくさんあります。「あの人とこんなことをしたい」とか「あの人にこんなお願いをしたい」とか。そこに尻込みしながら、そこにある「自分より上」という考えに、深くため息をつきたくなります。
小冊子を発刊するにあたり、深澤直人さんに連載をお願いしにいったり、無印良品に広告掲載のお願いをしにいったりという、無茶を実行した日々を思い出しました。その時の僕には、深澤さんも、無印良品も、あこがれではありましたが「尻込みする」存在ではありませんでした。別になにかを引け目に思うこともありません。実力は歴然としています。比べようかありません。だからこそ、無謀なお願いができたのだと、今に思います。それができないのです。今・・・・。
昔に比べると、僕と深澤さんや、僕と無印良品との距離は、変な言い方ですが、かなり近くなりました。きっと、それがいけないのだと、思うのです。
遠かったからこそできたことだと、今になって思います。近くなったから、できなくなったこと。そんな感じに思います。
近いといっても、遠いです(笑) それはわかっています。あるのです。僕がうまく言えないだけで、「近くなったからできなくなってしまった」ということは、あるのです。
本音は言えるようになりました。深澤さんにも、無印良品にも。笑いながら、ジョークも言えます。しかし、できないことができてしまいました。
「こう思っているのではないか」ということです。
相手が、僕をです。僕のことを知ってくれたことで、また、僕が普通よりも、深澤さんや無印良品を知ったことで、僕の中に「遠慮」が生まれました。

小冊子「d」に掲載された無印良品の広告は、僕が借りてきたものです。広告料はいりません。ここに広告を貸して下さい。と、お願いしたものです。
今はそんなこと、お願いできません。広告を制作する元上司である原研哉さんに迷惑をかけられないし、無印に突進していって、そんなお願いをするなんていう、子供っぽいことはできません。それなのです。根本的なこと、それをしてしまえた「純真な思い」。それが薄くなってしまったのです。だからこそ、「迷惑がかかる」とか、「子供っぽい」という言い訳をして、それをやめてしまうのです。

しかし、なぜ、そんな無茶を深澤さんや、企業としての無印が受け入れたか。こう思いたいのです。「すじは通っているが、どうなるかわからない。しかし、これだけ思いを持っているヤツだから、受け入れよう」と。
すじが通っているから、やってみろ、そう応援してくれたのです。問題はここです。自分が単に大人になったからではなく、何が大人になったかというと、「すじが実は通っていないことに、気づく」という神経が大人になった。それは、実は「すじが通っていない」のです。それがわからなくなるくらいに、鈍く大人になったのです。

立派なものが「すじが通っている」とばかりは、言えません。
そこではないのです。
年齢でも、経済的に成立するでもないのです。無印が広告を貸してくれたことの背後には、すじが通っていたのです。世界でもっとも忙しい深澤さんが連載を引き受けてくれたことも、すじがとおっていたのです。

復刊に際して、僕は深澤さんに引き続きの連載のお願いを、どう言っていいかわからなくなりました。大人になってしまったのです。純粋に見えていた「すじの通し方」が、大人になったことで、また、近くに寄ったことでわからなくなってしまったのです。

長い間、連載をして頂いた深澤さんとの関係を持って「また、はじまります。よろしくお願いします」と、軽くいえなくなりました。例えば、「いや、忙しくなったから、連載はここでやめよう」と言われたとき、僕はそれに対する言葉を、今、想像できなくなりました。すじが見えないのです。

深く考え、悩むことではありません。単純なことです。
すじを通すという意識を、連載中、僕は思い続けられていなかったように思います。その後ろめたさという「大人感」が、僕に「すじ」を気づかせてくれたように思います。
最初の思いを思い出して、明日、深澤さんに連絡をしてみます。

ナガオカ日記
「最初の思いを思い出して」より



最近、新しいプロジェクトがたくさん動き出しています。
毎日いろんな場所で打ち合わせの日々です。
今、進んでいるのは前例のないプロジェクトばかり。
美容師さんの好意に甘えたり、
多大なご協力をいただきながら進行していことを思うと
つい、及び腰になってしまう自分もいます。

でも、ライターになったときに
必死になっていろんな人にお仕事をお願いしたときの気持ちを
今、一度思い出して
まっすぐな気持ちでちゃんとすじを通して
(そしてご迷惑をかけない範囲で)
お仕事をお願いさせていただこう、と
思ったのでした。
| working。美容 | 20:19 | comments(0) | - |